【エンジニア34年目?】介護と仕事と。その時になってみないとわからない 紡車圭子さんインタビュー

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今後、介護と仕事を両立する方へメッセージをいただけますか

今無理して頑張って介護と仕事を両立しようとしている人は、そんなに頑張らなくてもちょっと上の人に相談してみたらいいと思います。
自分が抜けたら仕事がやばいとか思ってるかもしれないけど、意外と何とかなるかも。
まずは上の人に相談して、ちょっと1日ぐらい減らしてもらえませんかとか、何か仕事を変えてもらえませんかとか言ってみる。リモート勤務させてもらったら、もう少し働けるのにとかね。

プロアシストでは、こうやって契約でも雇ってもらえるので、まだいいですよね。
意外と、プロアシストを辞めた人もまた帰ってきたりしてますやん。それもありかも。
介護がしんどいから、そっちに集中するために一旦仕事を辞めて、介護が終わったらもう復帰させてもらうとか。そういうのもありかもしれない。
生活できるかどうかの問題がありますけど。お金の問題があるので。

小西

介護度によって支援も違うので、介護保険の支援を受けられたらいいんですけど、介護認定の時にちょっと大げさに言うくらいでないと、介護度が低く判定されてしまいますよね。

本人がね、いい格好するからケアマネさんにいろいろ聞かれるとちゃんと答えて、全然ボケてる素振りないんですよ。もうちょっとボケたふりしたら介護度があがるんじゃないかって思うんだけど。

小西

うちも祖父母のときはそうでした。
私はなんでも自分でできます!みたいな話をするんですよ。できてないこともあるんですけど。
祖母は90歳近くまで一人暮らしで、ある程度は一人でできますけど、年齢的にやっぱり一人は心配なので、定期的に誰かに来てほしいと思っていました。

うちも一人暮らしだから毎日LINEしてます。LINE電話して生存確認してます。
電話してて向こうが喋ってるだけなんだけど、毎日会話してあげないと、ボケられるっていうのもあって。いつもばーっと「何かこんなことあった。こんなことあった」って聞いて、「そうですね、じゃあね」って、私はほぼ何もしゃべらない(笑)。
タブレット買って渡して、ギリギリLINEの使い方だけ覚えてもらいました。もう85だし、それ以外に全然覚えられないから、LINEとスマホをちょっと触られるようになって良かった。
いろいろと新しいことに挑戦してもらってね。本人嫌がっても、やらなあかんねんでって。自分でできることはせなあかんで。ぼけるでって。

小西

いろんな刺激がないと、ぼけたり、動けなくなったりしますもんね。

そうそう動かなくなるからね。
私が実家に帰らないのは、私が帰ったら母は絶対ぼけるというのと、施設に入りにくくなるのと、その2つです。
施設入れなくなるのも困るし、ぼけられても困るので、なるべく自分で頑張って自立を促して。冷たい娘と思われるかもしれないけど、これは愛情ですよ。

小西

うちの母は最近、緑内障がすすんで字が見えないようで、
役所とか病院とかで書類をもらってくるんですけど、字が見えないので読んであげるんです。だた読んだだけだとわからないので私が要約して、これはこういうこと、いいですかって名前を書いてもらいます。

字面は読めるけど、言っている意味は入ってこないみたいでね。年取っていくとそうなる。認知能力が衰えていくのかしらないけど。
だから全部読んで、手紙こんなに来たよっていうのをいつも報告してくれるけど、「おいといてあるからね」って。読んでみてって言っても読んでも意味分からんしって。
ほんまに読ませたいんですよ。理解できるまでね。そしたらぼけへんようになるのにとか思うんだけど、あんまりあれやれ、これやれって言うとかわいそうな気もするし。でも、何か刺激がないとね。

小西

母に「なんか飲み物買ってきて~」とか「なんかアイス買ってきて~」と言われたときは毎回違うものを買うようにしていて、
いつもとちょっと違うものを飲んだとか、食べたとかちょっとした工夫ですけど、刺激になるかなと思ってます。

うちも買い物を頼まれるときは、いつも前に書いたリストを真似して書くだけで。ごめん、抜けとったっけとか言うことがあって、危険だなと思って。自分で欲しいものをちゃんと頭で考えて書いてほしいんだけども、それができなくなってきてしまって危険だなと。
たまに何か違うお菓子とかこんなん売っとったでって買ってきて、新しいもん食べさせてみたり。これおいしいやんとか。何かやっぱ刺激いるよね。
何か簡単に調理できるもの買ってきてとか言われるので、何が食べたい、どんなんがええんとか、もっと具体的にならんかなとか思いますね。
何か魚とか言われても、全然違ってたら、食べへんこともあるので。そうならないようにちゃんと言うてって。
考えさせないといけない。考えさせないといけないけど、難しいな。

小西

本当に難しいなと思います。
大学生のころ、祖父の介護をしていたんですけど、祖父は犬が好きで、よく可愛がったりしていてそれがよい刺激になったのかなと思っています。

うちもね、母が何か刺激になるような、こう会話できるペットみたいなものというか、何かそういうのを買ってあげた方がいいね。
でも、あの人ペット好きじゃないしな。

小西

うちの母は、最近Youtube見てますよ。

うちの母はYoutubeのもちまる日記が好きで、それをずっと見てるみたい。全てYoutubeを見れるようになったのはもうすごいやんとか思うんですけど。
テレビでも見れるようにしてあげたのに、テレビの扱いが分からんからスマホでええねんとかって。せっかく大画面で見れるようになったのに。

小西

多分近くから音が鳴るっていうのがいいんじゃないかと思います。テレビだとテレビの方に意識を向けないといけないけど、近くから音がなってるから、ちょっとこう気を抜いてもいいみたいな感じなのかなと思って。

なるほどね。そうなんだ。うちはとにかく面倒くさい操作を覚えないかん、その一点張りかな。

小西

難しいですね。やっぱり介護って。

本格的になったらどうしようかなって。今いい感じに回ってるんだけど、これが本当に認知症が進んだらどないなるんやろうっていう、その心配がね。その時にすぐに施設入れたらいいけど、入れへんかったら大変やなって。そうしたら私はやっぱり実家に行かなかんのやろかとか。

小西

私も親の介護の負担が増えたときの心配は就職したときからずっと持っています。

でも今は考えられない。その状況になってみないとどうすべきか分からん。それぞれで状況が違うからね。
あんまり先の心配すると楽しくないから。今生きてたらいいかなって。その時になったら、そん時考えよう。先送りで。

小西

今のことを一生懸命やるみたいな。
でもそうでないとね、多分介護ってやってられないですよね。
介護は子育てみたいにめどが立つこともなく、いつまで続くかわからないですし。
私が本格的に介護を始めたのは中3の春で、当時は介護保険もありませんでした。生活に精いっぱいで平日の昼間、誰か祖父を見てくれる人がいればいいのにとずっと思っていました。

なかった時は本当に大変だっただろうね。今までいろんなサービスが提供されるようになったから、いいよね。ネットスーパーとか、お弁当の宅配サービスもあるし。持ってきてくれるしね。

今ヤクルト取って、ヤクルトレディに見てもらおうと思ってね。週1回、来てちゃんと確認してもらえるやんとか思って。ヤクルト取り始めたよ。
ヤクルトの人はね、いつもいるはずなのに返事がないとか、なんかおかしいとか気付いてくれるから。通報してくれるのを期待してね。
ヤクルト飲めるしね、これはいいわと思って。
バス1日3本の田舎だけど、ヤクルトレディが来てくれるので、もうこの際ちょっとのお金を惜しまずにやろうと思います。

小西

ヤクルトは良い案ですね!
健康にもいいですし、一石二鳥ですね。


紡車さん、様々な介護のお話をお聞かせいただき、ありがとうございます!
介護は誰もが当事者になる可能性があります。仕事と介護の両立をしなければならないときは、上司や同僚、人事に相談して、両立できる方法を探す必要があります。
それでも、仕事と介護の両立は並大抵のことではありませんよね。介護との向き合い方や息抜きについても、仕事と介護の両立には重要なことだと再確認しました。

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この記事を書いた人

小西麻子のアバター 小西麻子 ソリューション事業本部 システム開発4部1課

株式会社プロアシスト ソリューション事業本部 システム開発4部1課
We部編集チーム
Webサイトを作る人。
3人娘の母で、ビジネスケアラー、そしてがんサバイバー。

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