いよいよ6カ月にわたる大阪・関西万博のフィナーレが近づいてきました。
大阪に本社を置く企業の一員としても、また最新技術に触れ、日々開発に携わる専門家としても、プロアシストでは大きな関心事として社員間で話題上がることが多かったです。
もちろん、実際に足を運んだ社員も大勢います。
「最先端技術の祭典」として注目された大阪・関西万博。プロアシスト社員はこれについて何を思い、どう感じたのでしょうか?
特にエンジニア的な視点がにじみ出る感想や、そこから見えてきた今後のシステム開発のヒントをWe部編集チーム内でまとめてみました!
【社員の所感】「ハイテク」の光と影に見えた課題
「並ばない万博」は実現できたのか?
オンライン予約や入場システムが積極的に取り入れられ、確かにこれまでの公的イベントと比べるとかなりハイテク化されていました。
しかし、ニュースや周囲から「どこにも入れない」という声を耳にすると、「並ばない」という理想とのギャップに疑問を感じるのも当然です。
では、この経験を踏まえ、「本当に並ばない万博」を実現するためには、今後どんなアプローチが有効でしょうか?
私たちが考える解決方法は、AIを活用したリアルタイムの混雑解析と情報共有です。
- AIによるリアルタイム混雑解析
パビリオン内外に設置されたカメラ映像や来場者のGPS情報(プライバシーに配慮した形での活用が前提)から、区域ごとの混雑度をAIが詳細に解析します。 - 統一プラットフォームでの情報提供
解析結果はもちろん、休館情報や大体の待ち時間を、公式アプリや全パビリオンで統一した規格の電光掲示板でリアルタイムに表示する仕組みがあれば、来場者は待機時間や無駄な移動時間を大幅に減らせたかもしれません。
この「情報共有のタイムラグ」をなくすシステム化は、今後の大規模イベント運営において重要な開発テーマとなりそうです。

多機能な「チケットサイト」の使いやすさ
チケットサイトは多機能である反面、ユーザーインターフェース(UI)が分かりにくいと感じる人が多かったようです。「どこに何があるか」の導線が整理されていないと、ユーザーは迷ってしまいます。
特に、多くの人が利用するシステムにおいては、「シンプルさ」と「使いやすさ」が何よりも重要です。
- UI設計の重要性再認識
プロアシストではお客様が利用するシステムやアプリ開発を行うため、今回の万博アプリの体験は、複雑な機能をいかに直感的で簡単な操作で実現するかという、UI設計の奥深さを改めて考えるきっかけとなりました。

【万博の外からの視点】万博の魅力と新たな販売戦略
We部編集チームの中には「行きたかったけど都合が合わなくて行けなかった…」という社員も。行かなかった方々は、ニュースや参加者に対して何を感じたのでしょうか?
貴重な「外からの意見」としてまとめました。
「行かない派」が「行きたい派」に変わる面白さ
この現象は本当に多かったですね!一度で回りきれない、多様な魅力が詰まっていたからこそ、「何度も行きたい」というリピート欲求が生まれたのでしょう。
この「行ってみないと分からない楽しさ」を、より効果的に事前PRする工夫があれば、初期の動員にも大きく貢献したかもしれません。
「ナイトパス」という新しい需要
これは盲点でした!
仕事終わりに限定して行く、と決められれば、非常に気軽に行きやすくなります。
現在のイベントやテーマパークでも夕方以降の半日券はありますが、夕方以降の「通期パス」はありません。夕方以降のの時間帯に特化し、価格を抑えたサブスクリプション型のパスは、特に地元大阪人の新たな需要を掘り起こせた可能性を秘めています。
【We部編集チーム視点の考察】ヒットの要因と課題
万博全体を振り返り、編集部内で特に印象に残った点もまとめてみました。
キャラクター「ミャクミャク」の経済効果
「ミャクミャク」の経済効果は目覚ましいものがありました。SNSでは「色使いや部分的に活用したりしやすいキャラクターだったので、コラボレーションが盛んに行われたのでは?」という意見も見られ、非常に納得しました。
- 「アレンジのしやすさ」がヒットの要因に
単に見た目のインパクトだけでなく、多様なグッズやプロモーションに展開しやすいデザイン性が、ヒットの大きな要因になり得るというマーケティングにおける重要な示唆を与えてくれました。

イレギュラー時の情報共有体制
実は、筆者が万博に訪れた日には地下鉄が止まるというイレギュラーが発生していました。公共交通機関が止まるなどの予期せぬ事態における情報共有体制がスムーズに機能したかという点には疑問が残ります。
- 危機管理のシステム化も課題
緊急時における来場者への正確かつ迅速な情報提供、避難経路の指示などを自動的・半自動的に行うシステムの整備は、今後の大規模イベント運営の危機管理における大きな課題と言えるでしょう。
総括:万博の経験を未来のシステム開発へ活かす
大阪・関西万博は「最新技術が社会実装される際の理想と現実」を浮き彫りにし、私たちに多くの学びと示唆を与えてくれました。
- 「技術の導入」だけでなく、「その技術がどのように使われるか」というユーザー体験(UX)と危機管理までを含めた、総合的なシステム設計の重要性を再認識しました。
このせっかくの大きなイベントの経験を、私たちシステム開発に携わる者がしっかりとインプットとして受け止め、今後のより良いサービス、より洗練されたシステム開発へと活かしていきたいと思います。
また、万博を刺激に生まれた新しいアイデア、実現したいシステムがあれば、ぜひ株式会社プロアシストにご相談ください!
弊社社員一同、心よりお待ちしています。
